のり子さんの物語 -2-

ー声出しー

 のり子さんは、ずっと前から「詩吟」のお稽古をしている。昔、中国で作られた詩や日本の和歌に、節をつけて吟じるのが詩吟。「ふし」というのは、メロディのようなもので、「吟ずる」というのは歌うことだ。つまり、「詩吟」というのは、詩を歌うこと。詩吟は、腹式呼吸よ。

 のり子さんが詩吟を吟ずるとき、話すときの声とは、全く違う、朗々とした太い声で吟じる。お腹の底から声を出すと、腹筋や、肺や、喉や、口のまわりの筋肉も使う。姿勢を良くして発声するから、体幹も鍛えられる。勿論、しっかり呼吸もする。真剣に詩吟をすると、体の中の全身運動をしているようで、血流も良くなる。

 朝、短い詩を吟じるのが、のり子さんの健康法だ。吟じたあと、「よしっ」と自分に声をかける。さて、朝ごはんだ。


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